いろんな人がいる。そしてマグロは泳ぎ続けないと死ぬ。
世の中にはいろんな人がいる。
自分はどちらかと言えば、あまりしゃべらないほうだ。
(そういえば、どちらかと言わなくても、しゃべらない方だ。
一人の時間という奴が好きで、他人と長い時間を共有することが結構ストレスになる。
それは、なんとなく「なんか喋らないと」とか思うからで、同じように無口な人と一緒に居る場合はそうでもない。
対して、めちゃめちゃ喋る先輩がいる。
女の先輩だ。
その先輩は四六時中ペチャクチャと落ちも無いのに一人で言葉を発し続ける。
うん、うん、と面倒くさそうに聞く自分に向かって、ずーーーと喋りかけてくる。
そんなわけで、自分はあんまりこの先輩の事が好きではなかった。
そして、風の噂で聞いたのだが、先輩が鬱になりかけていたらしい。
他の先輩云く、彼女はマグロである。
書いた後で思ったが、決して卑猥な意味ではない。
これは比喩的な話で、マグロというのはよく言われているように、泳ぎ続けないと死ぬ。
(実際のところは知らないが
彼女も同様に、喋り続けないと生きていけない。
喋り続けることで、内なるストレスを発散している。
しかし、自分がやっている仕事はデスクワークが主である。
繁忙期になると、業務にもよるがピリピリした雰囲気が漂い、誰かと和気藹々と喋れるような環境ではなくなる。
自分は、黙って仕事をしたい方なので、全然大丈夫だけども、そういうのにとてつもないストレスを感じる人もいるだろう。
先輩がそうだった。
いろんな人がいる。
そして、マグロは泳ぎ続けないと死ぬ。