この時代に産まれた
この時代に産まれた。
外を見ると、車は空を飛んではいない。
いつになったら、空飛ぶ車に乗れるだろうか。
僕が産まれた、1988年、トロントで環境問題の世界会議が開かれた。それからずっと、二酸化炭素は増え続けている。地球はボロボロらしい。
ずいぶん小さくなった携帯電話を使えば、遥か1000km離れた見知らぬ人と会話する事もできる。
今から200年ほど前、僕の、祖父の祖父の祖父にあたる人は車を知らなかった。環境問題についても考えなかった。生活は半径50kmで完結していただろう。30歳で死んだかもしれない。
今、それから時代がぐるぐる回って、僕が産まれた。
この時代では、なんだってできる。
もちろん、空飛ぶ車はないし、ドラえもんはいない。
でも、
ブラック企業に入社して、死ぬほど働いて、辞めて、インドに行って、悟りを開いて、結婚して、離婚して、子供を育てて、ベンガル語を覚えて、友達100人作って、大学に入って、辞めて、大学に入って、辞めて、映画観て、1年ぐらいダラダラして、社長になって、ブログ書いて、笑って、泣いて、最後は死ぬけど。
でもそうやって、なんでもやろうと思った事ができる。
なにをやるか決めればいい。
そんな時代に僕は産まれた。
- 作者: 吉田和正
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