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映画と生活

助言

自分の話ではないのだけども。

 

もう2年ほど前になるが、自分が社会人として働き始めたころ(早い!)、ぜんっぜん仕事ができてなくて、上司から毎日毎日怒られてた。

本当に、何回も何回も怒られて、同じ事を何回も注意されて、それでもなぜか、できなかった。

頭ではわかっているし、注意してやっているのに、結果が伴わない。

そんで、また怒られる。

「何回言わせる気?」ってなぐあいに怒られる。

その当時、プロジェクトが頻拍してて、上司本人の余裕もなくなっていったのもあり、優しかった上司が鬼のように見えた。

 

んで、はや2年。

比較的緩いプロジェクトに移動したのもあって、ある程度仕事ができるようになった自分。

最近、かつての自分を観る様なシーンに出くわした。

 

一般的に、規模の大きなITのプロジェクトには複数の企業が参加する。

しかも、IT業界はよく言われるように、ピラミッドのようなもので、表に出てこない会社を含めると10社ぐらいが共同して仕事をするような形になる。

 

自分のプロジェクトもそんな感じだ。

研修が終わってすぐの新人のような若手から、ベテランまでいろんな人が一緒に仕事をしている。もちろん、表向きはさておき、別会社なので、どの人が業界経験どのくらいかなどは、わからない。

だけど、やっぱりそういうのは雰囲気に現れるようで、仕事のできるできない、慣れ不慣れ、はなんとなくわかるのものだ。

 

それでこの間、おそらく同じ会社の40歳位のSE二人+若手一人、が話しているのを遠目から観ていた。

若手君はおそらく自分の一つ下で、新卒でやって来てちょうど2年目のSE。

上司二人に以下の様なことを言われていた。

「**君。わからないことは、いまの内に聞いておかないとダメだよ。」

「経験が多くなると、後から聞けなくなるよ」

「後輩が入って来たときに、聞かれたら何て答えるの」

 

おそらくそんな感じの内容だったと思う。

若手君はすこし強ばった困った顔をしながら、素直に「はい」と相づちを打ってた。

その少し後、若手君は席から離れていった。

 

二人きりになったSE二人は

「若手くん、なんか怒ってた?」「んー、プライドが高いんですかねー」「どうにかならんもんですかねー」というような事を雑談していた。

 

さて。

別に二人は嫌味でそんな事を言っていた訳ではなくて、もちろん上司、先輩として、若手君に「助言」していた訳だが、個人的には少し思う事がある。

 

助言には2種類ある。

あいまいなやつと、具体的なやつの二つだ。

すごく単純な例えだけど、例えば新人がエクセルで作業してて、セルに順番に数字を打ってたとする。んで、上司が「オートシェイプを使いなさい。そっちの方が早い」と言う。これは「具体的な助言」である。

その場合、新人君にとって対応は簡単な話で、「連続でセルに数字を打つ場合は、オートシェイプを使う」だけ。

 

しかし、働いていると結構な割合で、あいまいなアドバイスに出くわす。

「もっと全体を観て仕事しないとダメだよ」とか

「質問にくる場合もタイミングを考えてね」とか

これは、一見やることが明確なようで、すっごく曖昧である。

 

一言言わせてもらえるならば、「そんなことわかってるし、できるならやってる

そう、わかってるけど、できないこともある。

上記の若手君の場合も同じで、「わからないことは質問する」そんなことは本人からすると当たり前でやっているはずだ。

好きで仕事を覚えるのが遅い人間なんていない。

しかし、上司からみるとできていない。

仕事がある程度できるようになった自分にはわかるけど、できる人間にとってあたりまえのことができていない人をみると、もどかしいし、「なんで!?」って思うことが沢山ある。

しかし、当たり前で、できる人にとって簡単なことも、できない人にとってはできない。

 

 

じゃあ、上司はどうすれば良いのか。

。。正直わからない。

 

結局のところ上記の会話は雑談のようなもので、上司は思ったことをぽろっと言ったまでである。

上司の気持ちはすごくわかるし、かつての自分を観ているようで、そんな助言を言われてどんな顔をしていいのかわからない新人君の気持ちもいたいほどよく分かる。

 

まあ、なんつうかそんな感じで、みんな成長していくんだな。

(って、変な着地ですが。こんな感じです。